双子
「っだぁ、ごめんなさい」
「何やってんの、あんた」
聞きなれた声がした、上を向く速度が速くなった。
高野渉だった。
正直、逃げたかった(めんどくさいから)。
「買い物です…」
「見ればわかるよ、そんな事」
お前が聞いてきたんだろうが、と悪態をついた。
勿論、心の中で。
「1人ですか、珍しいですね」
「いや、優も一緒だけど」
「そうですか」
会話が続かない、ていうかなんであたしは会話しようとしているんだ。
よくわかんないけどさっきからしんぞうおかしい。