双子

そして渉は踵を返して、会計へ向かった。
あたしもノートの代金を払うべく、後に続く。


「あ、すいません。これ、ラッピングしてもらえます？こっちのピンクの方だけ」


「それ、誰にあげるんですか」


「秘密」

秘密か…
あたしにくれるのかなって、期待する。
でもまさか、そんなはず無いのに。


暫くして店員さんがラッピング作業を終え、渉が代金を払った。
あたしもノートの代金を払い終わった。

店を出ると、渉が何か思い出した。

「あ、優おいてきた」


「え、じゃあ店内に戻って探しましょう」

「いや、いいよ。そのうち戻ってくるだろうから」


「あ、そうですか」