双子


店の入り口付近にある、ベンチに腰掛けた。

2人きりになると、会話が無くて焦った。
いやなんで焦ってるんだろう。



…キーホルダー、くれるかな。

そんな願望が、心にあった。


「あのさぁ、」

「ふい」

思わず出た声は、変だった。
おかしく思われていないか、不安だった。

あれ、なんで不安なんだ。

「自覚してる?」

「なにをですか」


「なんでも無い」


会話が途切れた、気まずい。

心臓の拍動がやばい、何だこれ。


もしかして、あたし、


いやでもまだ1日しか。


「あの、」

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