双子
「茜ー、今日の放課後、駅前の雑貨屋行こうよ」
「いいよー」
放課後になり、帰る支度をしていたときに麻由にそう誘われた。
別に用事も何も無かったから、新しい筆箱でも買いに行こうと思い行く事にした。
学校を出て、数分たつと雑貨屋が見えてきた。
店内に入って筆箱があるコーナーへ足を向けた。
適当に筆箱を手に取り、向きを変えたりしながら見る。
これはだめ、可愛くない。
可愛いものは可愛い人が使ってこそ輝くと思う。
だから、愛のノートだってあたしが取った。
別にいいじゃん、お姉ちゃんなんだし。
じっくり筆箱のコーナーを眺めると下段にある筆箱が目にとまった。
これを買うことに即決した。