双子
「ん!?」
何でこうもみんないきなり声をかけるのか、
考え事をしていたので声が以下省略。
本日2回目か。
跳ねた茶髪、大きな黒い目、
茜と負けないくらい人気者の高野渉が私の机に座っていた。
「相変わらず、お前のねーちゃんすごいな」
「そうですね、ていうか寝癖ついてますよ」
「ファッションだよ、お前姉と違って流行に疎いのな」
「うん、机乗らないで下さい」
前々から思ってたけど、こいつやけに馴れ馴れしい。
まあ女子には全員馴れ馴れしいか。
「暇」
「私は暇じゃありませんので、茜のところへ行ってください邪魔です」
人気者、というだけあってこいつはモテる。
そんなモテる奴と話している奴は茜ではなくその妹。
そりゃ当然視線が突き刺さるわけで。
「そうだな、お前と話しててもつまんねぇ」
何しに来たんだこいつは。