双子
女子トイレへ入ると、既に茜はそこに居た。
「あ、茜。ごめんね、待った?」
「…いや、平気だよ。」
茜は少し元気がなさそうだったが、あえて聞かない事にした。
あたしに心配されても迷惑かな、と思ったからだ。
「あっ、それで相談なんだけど…」
「何々?」
茜が本題に入ったので、深く考えない事にした。
「あのね…」
茜はもじもじし始めて、声が小さくなった。
これは、
もしかして。
「恋愛系?好きな人って誰?」
思わず口から出た。
気になるじゃん、だって。
「うん、とね。好きな人はね…」