双子




「やったぁ。ありがとっ」


目の前の茜が嬉しそうに微笑む。

「え、えへ」

ぎこちない愛想笑いしかできない。

「あたし、頑張っちゃうからっ。ありがとう愛、じゃあねっ」

「あ、うん」

茜が去った後、あたしは複雑な心境だった。


どうすれば、よかったんだろうか。

それからお昼休みのチャイムが鳴っても、あたしはそこに立ち尽くしていた。

< 43 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop