双子
5
あの子が引っ越した事を告げられた
あの日からあたしはできるだけ目立たなくなった。
前髪を出来るだけ伸ばして、顔が見えないようにした。
持ち物を地味にしたりした。
やはり双子という事もあってか、茜と同じ人を好きになった。
だけどその度に、
自分は茜には勝てない、
あの人は茜が好きなんだ、
茜と取り合いをしたってどうせ負けるのだから、辛い思いをする前に諦めよう、
そう思って、茜と好きな人が仲良くしているのを見ていた。