双子
――めんどくさ、と窓の外を眺めながら思った。
あの後移動して、今居るのは理科室。
授業の真っ最中だ。
黒板をぼんやりと眺めて、何となくシャーペンを取って、
買ったばかりの真新しいノートを開いた。
その時、横からわき腹をつつかれた。
茜だ。
「愛、そのノート超可愛いね。どこで買ったの?」
茜の白くて細い指が指すのは、あたしのノート。
ピンクを基調としたノートだった。
「ん…と、駅前の雑貨屋。これが最後の一冊だからたぶんもう無いかも」
「ふーん…」
茜は少し考えるような仕草をしてから、こういった。
「んねっ!そのノートあたしにくれない?」