双子
高野兄弟と遊んだ日から、数週間たった。
あたしは若干ブルーで、
茜はあまり喋らなくなっていた。
それでも人気者のさだめの為か、茜の周りには人だかりが常に出来ていた。
「はぁーっ…」
隣を見ると、筆箱には星のキーホルダー。
渉はあたしじゃなくて、茜にあげた。
渉は茜の事、とか思うと堪えなきゃいけないものがあった。
調子乗りすぎたな、あたし。
自分のこと、好きなのかな。なんて。
自分の筆箱には、渉と優とあたしで色違いでおそろいのシャーペンがあった。
でも、キーホルダーのほうが欲しかった。
キーホルダーが、太陽の光を浴びて光っているように見えた。