双子



「何ですかもう」


ため息をつきながら渉の方を見た。

「貰った?」


「え、なにをですか?」

主語が抜けていて、会話になっていなかった。

「その様子じゃまだ貰ってないみたいだな」


「何の事かわかりませんけど、貰ってないですたぶん」

思い当たる節も何も、無かった。

「ふーん」

渉は視線を茜の席の方に移し、やがて目を見開いた。


「はぁ……?」





< 94 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop