17歳の約束
望はずっと椅子に座って俯いていた

「奈津美。」

「ん?」
「奈津美、無理してるよね…。」

やっぱり望には全部わかっちゃうのかもね…。

「してないよ」

「笑顔が…苦しいよ」
「望…」
「奈津美…。お願い私には気を使わないで…?私には正直になんでも言っていいから…。苦しいなら苦しいって言って?これ以上奈津美の苦しい笑顔…見たくないよ…」

やっぱりね。望は親友だから…ずっとずっと親友だからまだ出会って少ししかたってなくてもわかりあえるんだ…。

「望………。ごめんね」

あたしの頬を涙が伝わる……。

望の前では笑顔にしようと思ってたけど…。

苦しかった。胸が締め付けられた肺の痛みとは違う何かがあたしの胸を締め付ける…。

今までの無力なあたしを許してね望…。

「奈津美、私になんでも話して?なんでも聞くよ?」

笑顔で話す望はどこか大人っぽくて、あたしはこされたような気がした…。

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