17歳の約束
「望、着いたぞ」
「康太ありがとうね」
「いいよいいよ!」

私はヘルメットをとって奈津美の病室へと急いだ

――ガラッ――

「奈津美〜、来たよ」

「望〜!ありがとう」

奈津美は昨日よりもやつれているような気がした……。

「奈津美……。奈津美は半年以上生きるよ。私と約束したもんね。」

「望…………先生が余命二ヶ月って…言ってたの。」

二ヶ月………………。
奈津美の笑顔はもう見れない…。

「…でもね。あたしの誕生日まで生きられるのが嬉しいよ…。」

奈津美の誕生日は5月25日。
来月…。

奈津美が死ぬなんて嫌だ…。嫌だよ…。

「奈津美…。二ヶ月以上私のそばにいて…?」
自然と私は涙が出そうになる。
だけど、こらえた。奈津美の前では涙を見せないって決めたから…。

「うん…っ!望が幸せになるまで死なないっ」

奈津美は笑顔だった…。
いや、奈津美は無理に笑顔を作っていた…。

< 68 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop