ねぇ…
無題
五人の中学生は、ただ呆然としていた。

恐怖も不安も何もかも、消えてしまったかのように。

沈黙は破られることなく、ただただ続いていく。
音のない世界ーー…。

「なぁ、聡司の時は『鎖をほどけなかった人』って言われたじゃん?何で次を言ってくれねぇーんだ?」

沈黙を破ったのは、隆洋。

「お題がない…恐いね」

真季は、小さくうずくまって呟いた。

「…私も、死んじゃうのかなぁ…雅と聡司みたいに」

今にも泣きそうな勢いで、優花が呟く。

「…私だって恐いよ」

さっきまで黙っていたみなみが、言葉を発した。

「…みなみぃー…」

優花は、ついに泣き出す。
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