ねぇ…
『いらぬことを言うな』

低い、低い声が響いた。
女の子は、苦しそうにしている。

「…アクマになっても、私みたいにならないで…クッあ…っ」

女の子が消えたのと同時に、優花に変化が起きた。
異臭と共に、優花に白い粉や緑色のものが浮かぶ。

優花が、腐っている。

「優花…」

みんな、ただただ見ていて動けない。
『無題』ーー…。
何も分からず、消えた人。

『無題』のアクマは…優花になるのだ。

あの女の子のように、悲しくて…。

『次の犠牲者は、眠ってしまった者』
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