ねぇ…
扉の外に出ても、年を取らない。
人からは人間扱いされず、永遠に生きる気分は…。

「…まぁ、生きてただけでも嬉しいよ。また、みんなに会えるから…」

少年は、爽やかな笑顔をして隆洋を見つめる。

真季はまだ歩き続けて、勝人もまだ壁の上。


「で、勝人をどうする?生かすか殺すか」

隆洋は、少年を真剣な目で見る。

「生かす。生かして、この扉を壊してもらうよ!次の犠牲者になる人たちがいなくなるようにね」

少年は、相変わらず笑っている。

『余計なことを言うな。早く決めろ…』

また、低い低い声が響く。
誰なんだろう…。

「はいはい、分かりましたよ!カミサマ」

隆洋は、ピクリと反応した。

『カミサマ』…?
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