ねぇ…
まわりの六人は、黙ってやり取りを見ている。

「あのね、これ…」

女の子は、指かと思うくらいの手首をスッと伸ばし、細い枝のような指で真季の手に何かを運んだ。

手のひらをみると、鍵だった。

「え…?」

真季は、不思議そうに女の子を見つめたが、女の子は表情を変えずに真季を見つめる。

「どの鍵穴にでも入るから、開けてみて。じゃあ、また会いましょう」

そう言って、いつの間にか女の子はいなくなった。
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