【短】─サクラサク─
 サクはおちょくるわけでもなく、素直にニコリとわらった。


「……どういうこと?」


 興味なんてなかったはずなのに、聞かずにはいられなくて。

ひたすらサクの言葉を待った。



「この桜には『想い』がこめられてた。誰かを想う強い心が。
だけど、今日ひっそり消えていくのが分かる」


 どうしてだろう。

その言葉にじーちゃんが思い浮かぶのは。


「この桜がこの地に埋められてから、そういう想いをオレは感じて生まれた」

「人の想いが、サクを生んだ……?」

 俺の言葉にコックリと頷いた。



 だってそんなこと信じられない。

でもサクっていう存在がいる限り、それは本当なのだと心の隅っこで信じれていた。



「…あ……」

 戸惑ってるオレをよそに、呟いたサクが突然、空を見上げた。


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