【短】─サクラサク─
「み〜っけ!」

 すっとんきょうな明るい声に、いつの間にか眠ってしまっていたことに気がついた。


「……サク…?」


 うっすらと見える視界には、足の間の木の隙間から、真下から見上げるやわらかい笑顔。



「え〜?なぁに、聞こえないよ?」


 そこにはよじ登ろうと試みる、俺の──…


「さくら、あぶないよ」


 なんだか胸がくすぐったくて、俺はトントンっと降りていった。



 アレは夢だったのか?


だけど、頬にはすこし熱い痕。



 さくらは長い髪を桜の花びらに乗せて、そよそよとなびかせている。


「ヒロ捜査隊、ただいま確保ー!」

 ピシっと敬礼すると、満面の笑みで俺の腕にしがみついてきた。


 さっきの悪態はどこいったんだか。

「ん?どうかしたの?」


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