Caramel*Morning



「お名前、聞いてもいいですかっ?」


ちょっと声裏返ったけど…言えた!


「あ、ごめん。俺は名前言ってなかったね。

ーー結城 真也です」


彼…結城さんは、優しく微笑んだ。


「よろしくね、牧野さん」


「はい!よろしくお願いしますっ」


と、とりあえず…
お友達になれた、かな?


「あ!いけない、遅刻しちゃう!」


時計を見ると、8時15分。

…ギリギリ!!


「すみません、失礼しますっ」


私はお辞儀して、その場から駆け出した。

すると、


「…牧野さん!」


結城さんに、呼び止められた。


あぁ、名字呼ばれただけで心臓止まりそう。

なんて思いながら、素早く振り向く。


「また明日」


歯を見せて、眩しい笑顔で、彼は言った。


「…っはい!また明日!」


私は、そう答えてまた走り出した。


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