Caramel*Morning



わかってしまった。
なんとなく、だけど。



ただの好きな人で、こんな悲しそうな顔をするはずないんだ。


…きっと。







「ごめんなさい…っ」



私は、思わず結城さんの手を両手で握った。




「…牧野さん?どうしたの?」



戸惑いながら、でも、また微笑んでるのがわかる。


「ごめんなさい…!」



もう一度言った。



俯いたまま、顔があげられない。




涙が出てくる。







「…泣いてるの?」



私は、答えない。






「…悲しいこと、思い出させちゃったんですよね」


「!」


結城さんが、一瞬驚いたのがわかった。



ーーーあぁ。



「ごめんなさい…だから、」






"そんな泣きそうな顔、しないで。"




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