Caramel*Morning
8*うまく言えないけど
ピピピピ、ピピ…
雀の鳴き声で、目が覚めた朝。
私はむくりと起き上がると、鏡の前に立った。
寝ぼけ顔の自分の頬を叩いて、思いっきり笑ってみる。
今日は結城さん、いるかな。
もしいたら、また「おはよう」って言ってくれるかな。
ドキドキする胸を押さえて、朝食を食べに一階へ下りて行った。
「おはよー…、って、お姉ちゃん!」
「やほー。また来ちゃった」
リビングのドアを開けると、そこには目玉焼きを食べるお姉ちゃんの姿が。
な、なんか気まずい。
昨日あんなこと思い出しちゃったから…
私が黙って席につくと、お姉ちゃんが口を開いた。
「昨日ね、ヒロに会ったの」
「!!」
ヒロ。
それは、何年か前に引っ越した、お姉ちゃんの好きだった人。
…例の、あの人だ。