Caramel*Morning
ゆっくり深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる。
目を開けて見た先、いつものテラス席に…
「い、いた…」
結城さんが、いた。
相変わらずコーヒー片手に読書を楽しむ、彼。
てっきりもっと暗い感じになってるかと思ったけど、いつも通りの爽やか王子様な結城さんに、少し驚いた。
…良かった、声かけやすいや。
青になった信号を確認して、私は歩き出した。
するとーーー
「…あ、牧野さん」
まさかの先に声掛けられるパターンですか!
「おおおおはよう、ございま、す…」
カ タ コ ト !
えーと、どうしよう。
どうしよう?
もう来ない方が良かったかな、鬱陶しかったかな。
色々な不安が頭をぐるぐるまわって、目眩を起こしそうだった。
だけど、そんな慌てふためく私にかけられたのは、優しい声。
「うん。おはよう、牧野さん」