ミルク色
左右に揺れて、不安定な秋。
しばらく、蒼はそんな秋を見つめていた。
すると・・・・・やはり、秋は自分の方へ寄りかかってきた・・・・・。
秋はスッと蒼をすり抜けて、ソファに寝転ぶ形になった。
蒼はまだ5才の小さな弟を、支えてやることさえ出来ない自分が悔しく、もどかしく感じた。
そして、いつしか秋に言われた言葉を思い出した。
<お兄ちゃんは、ふわふわしてて天使さんみたいだね!>
「秋。
俺は天使みたいに綺麗じゃない・・・。
むしろ、俺なんか天使になれなかった、堕ちた命なんだ・・・。」
そう一言、漏らした。