Violet Moon
Candy Load
あたしがメイドの立ち話を聞いたのは3年前
『えぇ!?エイミー様が?』
『そんな事ないってっ』
『人間がこの国の後継者なわけないじゃない!?』
『だけどエイミー様
魔石なしじゃろくに魔法も使えないじゃない』
『それはエイミー様が
人間だからでしょう?』
あたしはその話を静かに聞いていた。
自分は魔人ではなくて
もしかしたら人間。
魔石は魔法をなかなか出せない人が魔力増倍のために
持たせる石、
人間に持たせたら人間でも魔法が使えるようになる。
『王妃様から実はこっそり聞いたんだけどね…』
王妃様はあたしの母様。
母様から…何を聞いたの?
『キャンディーロード』
『何よ?
キャンディーロードって?』
『この城の三階の一番隅っこにある扉よ
そこがキャンディーロード』
『一番隅っこ…
誰も入っちゃいけないはずよね?』
キャンディーロード?
なんだろう……
『エイミー様が6歳のときよ…そのときは゛エネミー゛様…』
エネミー様?
誰…それは?
『三階の一番隅っこの扉を開いたのよ』
『開いて…どうなったの?』
『人間と入れ替わった』