Violet Moon

「…今の何」

突然視界が歪み出したけど

「え――――…」

立ち上がるとさっきとは
違う場所にいた

「ラビッラビッ
幻騎士のショーを見に行こうよ!!」
「ダメだよ、エネミーこの前
幻覚に頭を犯されて耳から血
出したんだからね!!
エネミーが大きくなったら
見に行こうよ」
「約束だよ!!」
「わかった!!」

幻騎士のショー…
思ったけど今のラビと小さいラビ…
性格や雰囲気がなんだか違うな
今のラビは何か…
あまり喋らなくて
あまり笑わない
でもこのラビは
よく喋り
よく笑う

「エネミー
メルマおばさんがパイ届けてくれたよー」
「本当っ!?」
「うんっ
僕も食べたいけど今日は帰らなくちゃ」
「じゃあ明日一緒に食べましょう?」
「うんっ
またねエネミーと

王様、王妃様」
王様…王妃様?
ここは宮殿…なんだ…
ラビってどこに住んでるんだろう…
私はラビのあとを追った

「ただいま!」
「お帰りなさいませ
坊っちゃん」

金持ちの坊っちゃんなんだ…

「ッ…また…また視界が…」




再び視界が歪みだした



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