爆弾カノジョ
「お味はどう?」
「美味しいよ」
「良かったわぁ」
彼女は嬉しそうに微笑む、本心からだろう。
しかしそれが俺の心を痛ませる。
正直言って、紅茶はあまり好きじゃない。
ここに来るたび、いろいろな紅茶の飲ませられて味を聞かれる。
いつもいつも同じ返答しかできない俺はチェリーティーを出されたある日に
“俺、これが好きだな”と言ってみた。
少しは返答のレパートリーがあるんだぞというただの自己満足。
しかし美香はそれを鵜呑みにしてその日から
お土産にチェリーティーの葉を俺に持たすようになった。