あまのじゃくBaby★
きゅん。
胸が高まる。
――それを、あたしは気づかないフリをした。
…知らない。
アイツのそんな優しい笑顔なんて。
知らないもん。
アイツがあたしを見る眼差しが、こんなに優しいものなんて。
あたしはどうしたらいいかわからなくて、ただただ顔を赤くすることしかできなかった。
本当は、この時からあたしの気持ちは決まっていたのかもしれない。
でも、不器用なあたしは感情を露わにすることなんてできなくて。
これがアイツとの最後の登下校になるなんて、思ってもいなかったんだ。