あまのじゃくBaby★
「俺も…舞のことが好きだ。」
周りから花火が上がる音が聞こえる。
でも、あたしの耳にはその音が入らなかった。
花火の音なんか聞いてる暇ない。
――今は、アイツの言葉だけを聞いていたい。
「舞…。」
アイツが切なげにあたしの名前を呼ぶ。
それに応えるかのように、あたしはアイツの胸に埋めてた顔を上げた。
「好きだよ。」
『…あたしも。』
夏の花火はなんだか色っぽくて、不器用なあたしを素直にしてくれる。