あまのじゃくBaby★


いくら鈍感なあたしでもわかる。


先輩は「アイツ」って単語だけ、冷たくいった。


そして、先輩が言っている「アイツ」は、あたしの中での『アイツ』。


つまりは陵を表していた。



『先輩…??』

「…俺のキスは拒むのに、アイツとはできるんだね。」



怖い。


初めて先輩をそう感じた。



目の前にいる先輩は、あたしの知ってる先輩じゃない。


先輩は、こんなに冷たい瞳をしてないもん。



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