あまのじゃくBaby★
〈side陵〉
「来てくれてありがとう。」
無駄に高くて甘ったるい声が、俺の頭に響く。
誰だっけ、こいつ…。
あぁ、確か舞が「春ちゃん」って言ってた気がする。
とにかく、そんな名前も覚えてないような奴に、俺は今の放課後、呼び出されていた。
『どういたしまして。』
俺は偽りの笑顔を作りながら、春ちゃんとか言う奴に微笑みかけた。
そんな俺の笑顔に、頬を染める春ちゃんを後目でチラッと見ながら、俺は心のなかでため息をついた。