はじまりの唄
幼かったあの頃のままで
「翔!本当に行っちゃうの・・・」
「東京なんてすぐ近くだろ。いつでも帰ってこれるし。まあ成功するまで俺は帰らないけどな。」
ここはまあ埼玉だけど・・・
それでもそんなしょっちゅう行くお金高校一年生には厳しいよ。
あたしは福沢裕子。今日はバンドで成功するために東京へ上京する幼なじみの大学一年生小出翔の見送りに来たのです。
「・・・体には気をつけてね。」
「うん。さんきゅ。・・・じゃあ行くな!」
「頑張ってね・・・。」
「・・・なんだよみずくさいなあー」
ポンッ。翔があたしの頭に手を乗せた。
「また時間に余裕ができたら帰ってくるから!な!」
清々しい笑顔だ。あたしはこの笑顔に、翔に惚れている。まだ告白なんて恥ずかしくてできない。でもその笑顔が見られるのも今日で最後・・・か。
「ほら、翔君行かなくちゃいけないから。」
あたしのお母さんは急かすように言った。
「うん。たまには電話してよね!メールも!」
「くすっ、裕子ちゃんたらそんなに翔のことが心配?」
と翔のお母さん。
「な・・・!ち、違うもん!!」
「ははっ、わかってるよ。メールは毎日してやるから。」
「絶対だよ!」
なんて我が儘なんだろうあたしってば・・・。でも本当は心配なんだよ。
「じゃあな!」
そういって翔は新幹線に乗り込んだ。ああ、行ってしまう。明日から翔がいない生活なんて・・・きっと耐えられない。
まだ幼いときから小中同じ学校で高校は翔が卒業する年にあたしは翔の通っていた高校に入学した。極度の腐れ縁だったあたしたちは一緒にいることが当たり前、そんなふうに思ってた。
だけど今日から翔はあたしの隣にはいない。
まだ信じられない。
明日また翔と笑っている気がしてならない。
やっぱり告白しとくべきだったかな。
東京に彼女とかできちゃったりして・・・。
てかあんなかっこよくて優しい人を東京の女の人がほっとくわけがない!!
でも勇気ないや・・・毎日メールしてくれるらしいし今はそれでいっか。
それにフラれた後のことを考えると・・・
今のままの関係が壊れてしまうのは怖い。
これでいいんだ。あたしが翔のバンド・モッシュピットのファン第一号なんだから。
「東京なんてすぐ近くだろ。いつでも帰ってこれるし。まあ成功するまで俺は帰らないけどな。」
ここはまあ埼玉だけど・・・
それでもそんなしょっちゅう行くお金高校一年生には厳しいよ。
あたしは福沢裕子。今日はバンドで成功するために東京へ上京する幼なじみの大学一年生小出翔の見送りに来たのです。
「・・・体には気をつけてね。」
「うん。さんきゅ。・・・じゃあ行くな!」
「頑張ってね・・・。」
「・・・なんだよみずくさいなあー」
ポンッ。翔があたしの頭に手を乗せた。
「また時間に余裕ができたら帰ってくるから!な!」
清々しい笑顔だ。あたしはこの笑顔に、翔に惚れている。まだ告白なんて恥ずかしくてできない。でもその笑顔が見られるのも今日で最後・・・か。
「ほら、翔君行かなくちゃいけないから。」
あたしのお母さんは急かすように言った。
「うん。たまには電話してよね!メールも!」
「くすっ、裕子ちゃんたらそんなに翔のことが心配?」
と翔のお母さん。
「な・・・!ち、違うもん!!」
「ははっ、わかってるよ。メールは毎日してやるから。」
「絶対だよ!」
なんて我が儘なんだろうあたしってば・・・。でも本当は心配なんだよ。
「じゃあな!」
そういって翔は新幹線に乗り込んだ。ああ、行ってしまう。明日から翔がいない生活なんて・・・きっと耐えられない。
まだ幼いときから小中同じ学校で高校は翔が卒業する年にあたしは翔の通っていた高校に入学した。極度の腐れ縁だったあたしたちは一緒にいることが当たり前、そんなふうに思ってた。
だけど今日から翔はあたしの隣にはいない。
まだ信じられない。
明日また翔と笑っている気がしてならない。
やっぱり告白しとくべきだったかな。
東京に彼女とかできちゃったりして・・・。
てかあんなかっこよくて優しい人を東京の女の人がほっとくわけがない!!
でも勇気ないや・・・毎日メールしてくれるらしいし今はそれでいっか。
それにフラれた後のことを考えると・・・
今のままの関係が壊れてしまうのは怖い。
これでいいんだ。あたしが翔のバンド・モッシュピットのファン第一号なんだから。