はじまりの唄
翔のバンドメンバーとは何度か会ったことがある。みんな優しい人たちだ。いつか売れたら大量に家にあるサイン入りCD友達に自慢してやるんだから(笑)
いつか東京にも一度一人で行けたらいいな。そのときは翔に告白できるかな。
「さっ、そろそろ家に戻りましょう。」
「うん。」
あたしは翔の乗った新幹線が小さくなって行くのを見て車に乗り込んだ。
「どうしたの裕子。浮かない顔して。」
「いや、別に・・・」
運転席にはお母さん、助手席には翔のお母さん。
車の後部座席は・・・あたし一人。
さっきまでは確かに隣に
翔はいた。
はあ・・・つまんない。
あたしはほぼ無意識に携帯を開いた。
あ、メール・・・
・・・翔だ!
『ヤッホー♪電車での暇潰しになるもの忘れちった(笑)メールで暇潰しになるかと思って。どうせ暇だろ?笑』
どうせ暇だよ。でも正直嬉しい。寂しいの方が大きいけど、メールができるだけ幸せだよね。
『どうせ暇ですよーだ!ドジだなあ(笑)しょうがないからつき合ってあげる!』
なんて上から目線・・・これがいわゆるツンデレってやつらしい。裕子はツンデレだよなーって翔に散々言われてきた。よくわからないけど。
こうして家に着くまでの間あたしたちはメールを続けた。
「明日から翔はいないのかあ・・・」
声に出すと余計虚しくなった。
本当に居て当たり前だったはずだった。
居心地もよくて一心同体と言ってもいいほど気も合って
たまに付き合ってるとか噂がたつこともあったけど
翔は否定しなかったしあたしも別に悪い気はしなかったから放っておいた。
家族のような感覚だったのかもしれない。
それが好きという感覚に変わったのは翔が高校生になってから・・・
中学の頃はまわりの男子の身長ばかりが伸びて行って
あたしよりちょっと高いくらいだったのが
高校に入学した途端驚異的なスピードで身長が伸び
とうとう180㎝に達してあたしより25㎝も高くなったのには本当に驚いた。
本人も成長痛に悩んでいたほど。
けどあたしはどんどん大人っぽくなっていく翔に惹かれていった。
いつか東京にも一度一人で行けたらいいな。そのときは翔に告白できるかな。
「さっ、そろそろ家に戻りましょう。」
「うん。」
あたしは翔の乗った新幹線が小さくなって行くのを見て車に乗り込んだ。
「どうしたの裕子。浮かない顔して。」
「いや、別に・・・」
運転席にはお母さん、助手席には翔のお母さん。
車の後部座席は・・・あたし一人。
さっきまでは確かに隣に
翔はいた。
はあ・・・つまんない。
あたしはほぼ無意識に携帯を開いた。
あ、メール・・・
・・・翔だ!
『ヤッホー♪電車での暇潰しになるもの忘れちった(笑)メールで暇潰しになるかと思って。どうせ暇だろ?笑』
どうせ暇だよ。でも正直嬉しい。寂しいの方が大きいけど、メールができるだけ幸せだよね。
『どうせ暇ですよーだ!ドジだなあ(笑)しょうがないからつき合ってあげる!』
なんて上から目線・・・これがいわゆるツンデレってやつらしい。裕子はツンデレだよなーって翔に散々言われてきた。よくわからないけど。
こうして家に着くまでの間あたしたちはメールを続けた。
「明日から翔はいないのかあ・・・」
声に出すと余計虚しくなった。
本当に居て当たり前だったはずだった。
居心地もよくて一心同体と言ってもいいほど気も合って
たまに付き合ってるとか噂がたつこともあったけど
翔は否定しなかったしあたしも別に悪い気はしなかったから放っておいた。
家族のような感覚だったのかもしれない。
それが好きという感覚に変わったのは翔が高校生になってから・・・
中学の頃はまわりの男子の身長ばかりが伸びて行って
あたしよりちょっと高いくらいだったのが
高校に入学した途端驚異的なスピードで身長が伸び
とうとう180㎝に達してあたしより25㎝も高くなったのには本当に驚いた。
本人も成長痛に悩んでいたほど。
けどあたしはどんどん大人っぽくなっていく翔に惹かれていった。