【完】君色フォトグラフ
distance7*告白*
今日から新学期。


私はまだ満里奈と話しをすることが出来ていない。

いつも夏になると図書館で宿題をする恒例の行事も、今年はないまま。

私は初めて一人で夏休みを過ごした。



久しぶりの始発のバス。


相変わらずバス停には木波先輩の姿。

少しだけ目があった私たちはペコリと頭を下げあった。




バス停から降り、木波先輩の背中を追いながら学校に向かって歩いていると、反対側の道路にハル君と柚さんの姿が見えた。


「木波さん、りんりんおはよーっす!!」


ハル君が両手をブンブンと振りながら、こっちに向かって走ってくる。

木波さんが振り向き、私とハル君の顔を交互に見る。


「ハル、この子と仲いいの?」


「仲いいもなにも、元カノっす!ふられちゃいましたけど!」


大きな声で、あちゃーという顔をして、笑いがら平気でそんなことを言うハル君。


私の方が恥ずかしくて真っ赤になってしまった。

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