【完】君色フォトグラフ
「そうなんだ!ハルも私からやっと卒業したか!ね、尚哉」


柚さんもハル君の後ろから駆け寄り、木波先輩にニコリと微笑む。


「あ、うん・・・そうだな」


木波先輩はそれだけ呟くと、学校へ向かって歩いていってしまった。



なんだか元気がないな。


柚さんもハル君もそんな木波先輩を心配そうに見つめていた。



柚さんの横顔を眺めながらハッと思い出す。


「あの、柚さん。遅くなりましたが・・・優勝おめでとうございます。テレビや新聞で見てすごいなって思いました」


私は柚さんにペコリと頭を下げた。

柚さんは北京で行われた女子野球のワールドカップで見事優勝をしたのだ。



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