【完】君色フォトグラフ
「悔しいけど、焼ける・・・・・・」


部室の椅子に座り、パックの牛乳を飲みながら口を尖らせるハル君。


「ごめん。ハル君に見せるべきじゃないなとは思ったんだけど・・・こんなこと話せるのハル君しかいないし」


「え!?それは嬉しい」


さっきまで口を尖らせていたのに、もう満開の笑顔。


百面相・・・・・・。


「いいな。俺もこんな写真、りんりんに撮ってもらいたかった」


ハル君が手にしているのは、私が手帳にしのばせていた和由君の写真。


「俺は、この写真を和由に渡して告白すればいいんじゃないかって思うんだけどな」


ハル君はそう言って、私に和由君の写真を返した。



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