【完】君色フォトグラフ
「諦められないほど、和由のことが好きってことじゃん。違う?」


「・・・・・・違わない」


「こんなに想ってるなら、りんりん、満里奈ちゃんに負けないと思うぜ」


「満里奈に負けない・・・・・・?」


ハル君の言葉は今まで私が満里奈に対して抱いていたものとは、反対の言葉だった。

だって、私は今まで満里奈に対して、コンプレックスを抱いていて・・・満里奈には絶対かなわないって・・・・・・。


「頑張れ、りんりん。追ってけよ、自信もって。な?満里奈ちゃんに悪いって思ってるなら、素直に満里奈ちゃんに自分の気持ち言っちゃえばいいじゃん。好きな気持ちに悪いもなにもないって」


ハル君が優しく微笑む。





満里奈に最後に言われた言葉が頭をよぎる。


『どうしていつもそうして、自分のこと下げるの?』




< 107 / 129 >

この作品をシェア

pagetop