【完】君色フォトグラフ
「あ、これになったんだ。なんか・・・俺らしくないよね、これ」


和由君がポツンと呟いた。


「そんなことないよ!これが一番和由君らしい!私はこれが一番好き!」


ここまで力強く言ってしまった自分に後悔した。

つい・・・恥ずかしすぎる!


私は慌てて手にもっていた写真を鞄の中にしまった。



いつの間にか誰もいなくなった教室。

さっきまでガヤガヤしていた廊下もあっという間に人がいなくなっていて・・・・・・。


静まりかえった空気がとても重苦しく感じた。


「ということなので、じゃあ!」


私はそう言って立ち上がり、教室を出ようとした。


「大槻!」


私は和由君に呼び止められた。



< 124 / 129 >

この作品をシェア

pagetop