【完】君色フォトグラフ
「あの、さ。もうこれで俺の写真撮るのは終わり?」


「え?」


「いや、コンクールに出す写真決まったならそうなのかなって・・・・・・」


椅子から立ち上がり、一歩一歩和由君が近づいてくる。


「ううん。あの、和由君さえ良ければ、これからもずっと撮りたいって思ってる・・・・・・」


「・・・・・・なんか信じらんねえ」


和由君が吹き出し、笑い出した。


「な、何が?」


「俺、今あの時のこと思い出してた。ほら、大槻が姉ちゃんに写真とってもいいですか?ってお願いしにきた時。あの時、大槻緊張してまともに話せなくて、っふ・・・俺、笑うの我慢してた気がする。だから今、さらっと言えてる大槻見て、すげーなって。別人みたい」




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