【完】君色フォトグラフ
顔をおそるおそるあげる。

柚さんと目が合い、また顔を下げてしまう。


しっかりお願いしなきゃ・・・・・・!

このままだと失礼だもんね。



大きく深呼吸して、心を決める。


「あっ!あの!!」


緊張して声が裏返ってしまった。

ううう・・・頑張れ!頑張れ自分!


「私、写真部に入部した、大槻りんと言います!じ、実は、この度、汐崎さんの写真を是非撮りたいと思いまして!お邪魔はしません!写真、お撮りしてもよろしいですか!?」




ハーハー・・・・・・




私は緊張のあまり、息をつく暇もなく、早口で話していた。

おかげで息が切れてしまった。



頭をペコリと下げた勢いでずれ下がった眼鏡を直しながら、ゆっくりと顔をあげる。


< 19 / 129 >

この作品をシェア

pagetop