【完】君色フォトグラフ
「え?写真?私の?」


柚さんはきょとんとした表情で私を見つめる。


「はい・・・ダメでしょうか?」


「ううん。ダメじゃないよ。だけどどうして、私?」


「・・・・・・」


どうしよう。

一目惚れしたなんて恥ずかしくて言えない。


私がグルグルと考え込んでいたとき、男の子の声がした。


「こいつ、新歓の時、お前にうっとりしてたからな」


その男の子は、私が恥ずかしくて言えなかった言葉をあっさりと口に出した。

私はビックリして顔をあげた。


「茶・・・髪男・・・・・・!」


目の前にいたのは、私の心をポッキリと折った、あの茶髪男だった。



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