【完】君色フォトグラフ
そこにいたのは坊主の男の子だった。


「い、いえ・・・・・・」


私はしゃがんだまま男の子から体を離し、立ち上がった。


「そう?なら良かった」


私に合わせて坊主君も立ち上がる。

坊主君は、私にニコっと笑顔を向けると、教室の中に入っていった。



同じクラスなのかな?

坊主君の様子をこっそりと目で追う。


「おっはよ!」


男の子は茶髪男の背中をパシンと勢いよく叩いた。


痛そう!

私は思わず肩をすくめた。


「・・・・・・うっさいハル。声はでかくなくていいから、背でっかくしとけよ」


茶髪男は静かに顔をあげ、坊主君をギロリと睨む。



こ・・・怖い。

< 23 / 129 >

この作品をシェア

pagetop