【完】君色フォトグラフ
「わ!」


自転車がガタンと動き出す。

私は思わず茶髪男に抱きついてしまった。


「ご、ごめんなさい!」


私は茶髪男の体に回した手をパっと離す。


「いいよ、つかまっとけ」


「え?」


「だからつかまっとけよ」


茶髪男は私の手をグイっと掴むと、自分の体に回した。


「!!」


私の顔はゆでだこみたいに真っ赤だったと思う。



ドキン・・・ドキン





男の人は怖い・・はずなのに。


背中から伝わるぬくもりはとてもあたたかくて、なぜか落ち着いた。



人ってあったかいんだな・・・・・・。



少し体を離して風にふわふわと揺れる茶髪を見た。




今はそんなに怖くない気がする。



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