【完】君色フォトグラフ
キキーッ


自転車が突然止まる。


「着いたぞ。おりろ」


また命令ですか・・・・・・。

私は茶髪男の偉そうな態度にカチンときたけど、怖いので言葉に従って降りた。

自転車が止まった場所は眼鏡屋さんだった。


「どうして?」


「お前の眼鏡が壊れたからだよ」


茶髪男は、自転車を道路脇に止めると、店内に入っていく。

私は茶髪男の後を追いかけた。


「いらっしゃいませ」


「こいつに合わせた眼鏡を作ってください」


「え?作るってどうして?」


「そういうことだよ。理由は分からないけど、眼鏡が壊れたのは俺のせいだろ?」


私は茶髪男の台詞に、昨日の自分が急に恥ずかしく思えた。


< 27 / 129 >

この作品をシェア

pagetop