【完】君色フォトグラフ
一人ってちょっぴり不安。


私は草むらにポツンと残され、急に不安になってきた。


「とりあえず、撮らなきゃ」


カメラを覗いて柚さんの姿をとらえる。


「やっぱり、格好いい・・・・・・」


柚さんの目はキリっとしていて、あの時よりももっと素敵に見えた。

全員が男の中に飛び込んで、野球をしている柚さん。


・・・・・・ジシャッ


ドキドキしながらシャッターを切る。


「はあ」


シャッターを切った後に、改めて自分が写真部になったのだと実感する。


「一人で決められたんだ、私・・・・・・」


シャッターを切った指が、ほっこり温かくなっていくような気がした。


私はカメラを覗きシャッターを何度も切った。



暗くなるまで夢中で。



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