【完】君色フォトグラフ
私は部活説明会に行くと言った満里奈と別れ、玄関に向かった。


「はあ・・・・・・」


私は歩きながら大きなため息を漏らした。

高校入学からこれじゃあ、先が思いやられるよ。


人見知りな性格を直すために、少し離れた高校に来たのに・・・・・・。

新しい制服に身を包んだ時には、変われるって思ったのにな。

階段の踊り場にある姿見を見ながら、制服のネクタイをキュっと締め直す。


「こんなんじゃ、全然だめ・・・・・・」





私は変わるための自信が欲しかった。


その時ふと、柚さんの顔が私の脳裏に思い浮かんだ。


「柚さんと一緒なら変われるかも知れない」


なんでそう思ったのかは自分でも分からない。

だけど私はいつの間にか、野球部の入学説明会場所の教室まで走っていた。


「ハア、ハア・・・フー」


ずれ下がった眼鏡を直し、教室のドアに手をかける。


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