【完】君色フォトグラフ
バス停のベンチに座り、二人でバスを待つ。


「高校入ってから初めてだね。帰りが一緒になるの」


満里奈が私に話しかける。


「うん。そうだね」


それ以上の言葉は出なかった。



どうしてかな?



満里奈と上手く話せない。


「あのさ、りん。単刀直入に聞いちゃっていい?」


「え?」


「りんって・・・和由君の事好きだったりする?」


「どう・・・して?」


私は満里奈に笑顔を向けて答えた。

だけど腕の中にはギュッとスクールバックが力強く抱かれていた。


「今日見ちゃったんだ。その・・・りんが和由君の頭撫でてるの」


「あ、あれはっ!」


その後の言葉が続かなかった。


満里奈は眉をしかめ、私を睨み付けた。


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