【完】君色フォトグラフ
「もし、そうなら諦めて。付き合ってるのは私だし。りんには・・・りんにだけはとられたくない」


「何言ってるの?満里奈。もしそうだとしたって、私なんかが・・・無理だよ?」


満里奈は私の言葉を聞いて、ふいっと顔を背けた。


「どうしていつもそうして、自分のこと下げるの?」


「満里奈?」


「私そういうの大嫌い。いつも・・・いつも。私、ずっとりんにイライラしてた」


私に冷たく言い放つ満里奈。



これが満里奈の本当の気持ち?



私のことそんな風に見てたの?



私は我慢が出来ずにバス停のベンチから立ち上がり、そこから逃げ出した。


逃げ込んだのは写真部の部室。

柚さんの写真が飾られていた壁が霞んで見える。





涙が溢れた―――。



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