僕と君と。
私は巧くんの家に
入る時と同じく静かに出た
小さく手を振ると
巧くんが私の手を引いた
「……!!」
一瞬だけ唇が触れた
「ごめんな送って行けなくて」
「ううん大丈夫!!じゃあね」
今度こそ帰るんだなって
思うと寂しかった
「気をつけて帰れよ」
「うん」
帰る途中1人になると
やっぱり寂しかった
巧くんのことを思い出して
必死に寂しさを紛らわした
けど気持ちとは逆に
体が震えだす
怖いの…1人は不安なの
後ろで足音が聞こえて
私の肩は震え上がった
また…あの恐怖がやってくる
私はゆっくり後ろを
振り返った…───