婚約者☆未満
6.同居☆1日目
「どうだ?
納得したか?」
伊織の問いかけには、返事をする気にもなれなかった。
ぐったりと席に戻り、味もよくわからないまま食事を終えて、あたしは伊織のマンションに連れていかれた。
あたしのスーツケースをひいた伊織のあとから玄関を入ると、目の前に廊下がまっすぐ伸びていた。
「それほど広くはないが、ひととおり案内する」
言われてサンダルを脱ぎ、伊織について奥に進む。
廊下をゆっくり歩きながら、間取りを教えてもらった。